運動器不安定症とは、平成18年4月に認められた新しい病名で、高齢化により、バランス能力および移動歩行能力の低下が生じ、閉じこもり、転倒リスクが高まった状態を言います。 高齢になって発症する病気で、運動器が不安定になって筋力やバランス能力が低下するため、転倒のリスクなどが高くなります。 ここでいう「運動器」には、骨、関節、筋肉、靱帯などが含まれているため、日常活動にはなくてはならない重要なもので、これらの「運動器」に障害を受けると、自分で身の回りのことができない「要介護状態」になっていまいます。 この病気の原因としては、骨の成長が活発な10代から20代の時期に、栄養バランスのとれた食事をきちんと食べていたかどうか、また適度な運動して行っていたかどうかが大きく影響していると言われています。
ロコモティブシンドローム(運動器症候群、通称ロコモ)とは、日本整形外科学会が2007年に提唱した概念で、運動器の障害のために移動能力の低下をきたして、介護が必要になったり、要介護になる危険の高い状態をいいます。メタボや認知症と並び、寝たきりや要介護状態の主な原因となっているため、厚生労働省が発表した第2次健康日本21では、2022年までにロコモに対する国民の認知度を80%までに上げることを目標に掲げています。ロコモティブシンドロームの原因としては、大きく分けて変形性関節症、関節リウマチなどの「運動器自体の疾患」と、「加齢による運動器機能不全」の2種類があります。
痛風はその名の通り、風に当たっても痛むというほどの激しい痛風発作をもたらします。血液中の尿酸の濃度が高くなり、尿酸塩の結晶が関節の骨と骨の間に沈着して、からだの防御機構である白血球が反応して攻撃する時に起こります。 尿酸塩が関節に溜まると痛風発作になりますが、他の臓器にも溜まります。なかでも腎臓には尿酸が溜まりやすく、痛風発作のある人は腎機能にも注意が必要です。さらに、痛風患者の場合、心筋梗塞や、脳血管障害などの生命を脅かす成人病を合併する割合も高いのです。
骨粗しょう症は、その原因によって大きく「原発性骨粗しょう症」と「続発性骨粗しょう症」の2つに分けられます。原発性とは加齢や閉経によって引き起こされるもので、続発性とは他の病気や薬によって起きる骨粗しょう症です。 骨密度、骨量は、思春期から20歳がもっとも多く、40歳頃まではその値が保たれますが、その後減少して吸収の亢進によって失われた骨量を、骨形成で埋めることが出来なくなると、骨密度が減少してしまいます。原因となる病気などがなく、このように加齢や閉経によって引き起こされる骨粗しょう症が原発性骨粗しょう症です。 この骨吸収が亢進する原因には、エストロゲンなどの性ホルモンの低下やカルシウム、ビタミンDの欠乏などがあげられます。閉経後の女性が骨粗しょう症にかかりやすい原因は、性ホルモンの低下と考えられています。 2つめの「続発性骨粗しょう症」は、病気や薬の影響で二次的に起こるタイプです。この場合、まずは原因となる病気の治療法や服用している薬などについて検討する必要があります。 これら2つのタイプでその治療法が大きく異なるため、骨粗しょう症が疑われる場合には、まずどのような原因で発症しているのかを調べ、原発性か続発性かの判断を行うことが重要です。
ガングリオンは弾力性の腫瘤で、関節の近くにある膜や粘液嚢胞にゼリー状の液体がたまります。発症の原因は、現在の医療ではその原因を解明するまでにはいたっていません。 そのため「軟骨が出てきた」と誤解されて放置されている場合も多く見受けられます。 ガングリオンは、一度治療して取り除いても、またできてしまうこともあるのですが、再発の原因についても、いまだに解明されていません。 ガングリオンは、筋肉や腱、靭帯の近くにできやすいのですが、特に手首や足首、膝などにできやすいと言われています。また稀に腕や指にできることもあります。 男性よりも女性のほうが3倍も発症率が高いというのもガングリオンの特徴です。
変形性関節症とは関節が変形することによって起こり、加齢や膝の使いすぎで関節が痛くなる病気です。何らかの原因で関節の軟骨が傷み、すり減ってくるのでそれを修復しようとして、周囲の負担のかかっていない部位に異常軟骨や骨棘をつくるのです。 こうして関節の変形が進むと、関節内の滑膜という組織が炎症を起こし異常に増殖して、関節内に水が貯まります。 関節の変形は、全身のどこの関節でも起こるので、加齢とともに発生頻度は高くなります。しかし関節に変形が起きても、あまり体重のかからない関節などでは、傷みなどの症状が全くないこともあります。 このような関節の変形に、ある種の症状が伴ったものを「変形性関節症」といいます。 膝関節や股関節など、体重がかかる関節で発症しやく、スポーツ選手や重労働者、中年以降の肥満した女性などに多く発症する傾向があります。特に日本の場合、畳や布団の生活をしている人が多いので、膝や足首の関節に負担がかかりやすいことも関係しています。
骨折のおもな原因は、外傷、過度の運動、病気です。 外傷による骨折は、外力がかかったことによって起こります。 例えば、転倒、転落、衝突、交通事故などによる外力がかかった場合です。 軽い転倒など弱い外力の場合は、骨折しても軽度ですみますが、交通事故や高所からの転落のような強い外力の場合は、複数の箇所が骨折したり、開放骨折によって他の臓器が損傷する場合もあります。 過度の運動による骨折は、骨の特定の部位に繰り返し外力がかかることで起こる骨折で、疲労骨折といいます。マラソンのように走る競技では脛骨が、サッカーやバスケットでは中足骨などによくみられます。 病気による骨折は、病気のために骨がもろくなっているため、軽微な外力によって骨折を起こします。
小児の骨折にはいくつかの特徴がありますが、その中でも一番特徴的なのは小児の骨の特性によるものです。小児の場合、元気に外で遊んでいるうちに転んで骨折します。しかし、小児の骨は成長途中で骨には多数の小さな空洞があるのと、骨を覆っている骨膜が厚くて丈夫であることによって、外力に対して柔軟性がありますが、大人と違う骨折になることが多くなります。 最近の小児は昔に比べて骨折しやすくなったと言われていますが、その原因は次の2つだと考えられています。 ひとつには、食事におけるカルシウムの摂取不足とリンの過剰摂取です。 リンの過剰摂取というのは、レトルト食品や加工食品、お菓子などに含まれている食品添加物(リン酸塩)が原因です。 このリンは、血液の中でカルシウムの濃度と一定になるように保たれているため、リンを摂りすぎるとカルシウムが不足してしまいます。慢性的なカルシウム不足の状態になると、骨からカルシウムを溶かして血液中のカルシウムを補おうとするため、骨がもろく折れやすくなるのです。 食品添加物やリン酸塩を多く含む食品は、ソーセージ、ハム、缶詰、インスタントラーメン、中華めん、ソース、スナック菓子、アイスクリーム、清涼飲料水などがあります。 運動不足については、ゲーム機に夢中になっている子供の姿を思い浮かべていただければ、あらためて言うこともないでしょうから省略させていただきますが、やはり適度な運動をさせることが大切です。
脳や神経に何らかの障害が起こったり、血の流れがさえぎられたりして起こります。神経が傷害される原因としては、神経の一部が圧迫されることの他に、糖尿病などの病気やアルコールなどがあります。また脊椎が圧迫されてしびれが起こる場合やビタミンが不足している場合、薬の副作用で起こる場合もあります。しびれの原因となる病気には様々な物があり、糖尿病や膠原病などの大きな病気が隠れている場合もありますので、注意が必要です。
疲労骨折は、一度では骨折に至らない程度の力が、骨の同一部位に繰り返し少しずつ加わることにより発生する骨折です。 丈夫な針金でも繰り返し折り曲げ続けると折損してしまうのと似ています。 スポーツ選手では短期的に集中的なトレーニングを行ったときに生じることが多いのも特徴です。 選手側の要因としては、筋力不足、アンバランスな筋力、未熟な技術、体の柔軟性不足などが考えられ、環境側の要因としては、オーバートレーニング、選手の体力や技術に合わない練習、不適切なシューズ、練習場が固すぎたり、柔らかすぎるなどが考えられます。
長い間座り続けたり、重い荷物を持ち上げようとしたり、ストレスがかかることが頚椎椎間板ヘルニアを引き起こします。頸椎は首の部分にあり、頭を支える役割をもっています。脊椎と脊椎の間には椎間板と呼ばれる組織があり緩衝剤の役割を果たしているのですが、この椎間板組織が壊れた状態が頸椎椎間板ヘルニアと呼ばれています。椎間板の組織が壊れてしまうと、脊椎の中心を通っている脊髄や神経根を圧迫してしまい、様々な症状が起こります。
姿勢が悪かったり、歳を取ったりすると、椎間板が変形したり骨が角張ってきます。この変形部分や、とげのように尖ってきた骨によって、脊髄から枝分かれした神経根が圧迫されることが原因で起こると言われています。普段の姿勢なども原因の一つです。頸椎症性神経根症では特に首の後ろから発症することが多いと言われていて、テレビやパソコンなどのディスプレイを見る際、首を後ろにそらす癖がある場合に起こることが多いです。
外から衝撃が加わることによって首が不自然な方向に曲がり、捻挫状態になってしまうことが原因で起こります。外から衝撃が加わる理由としては交通事故や転倒などが多くあげられます。外から衝撃が加わると、衝撃を受ける際に頸椎を守ろうとして筋肉がこわばり、筋肉が一部分裂けてしまったり、靱帯が障害を受けたりします。これが原因となります。また、首を捻挫した後にしばらく首を動かさないでいると、痛みや肩のこりが長引いてしまうことが知られています。
人間は重い頭部を背中の筋肉が支えるため、肩や背中は常に緊張状態になります。そのため、筋肉は疲労状態となり、血管を圧迫、結果血液の流れが悪くなり酸素や栄養が届かなくなります。結果として疲労による老廃物、乳酸が排出されなくなります。この乳酸の蓄積が肩こりとなります。また、ストレスといった外部の影響と視力の低下、胃潰瘍、血圧異常などが原因となることも多くあります。
五十肩の原因としては糖尿病、頸椎疾患、あるいは胸部の内臓疾患、腱板断裂あるいは骨折、脱臼が上げられます。それ以外の「五十肩」は原因不明の症状をいいます。肩と腕の付け根である肩関節は3本の靭帯でつながっており、おのおのが緊張状態にあると、固くなることがわかっています。縦に3本ある一番した、脇に近い一本が堅くなることで、腕を上げるときに痛みが生じます。肩が固まる状態はこのことをいいます。緊張の原因はわかっていません。
肩関節を安定させる筋肉、肩甲下筋(けんこうかきん)、棘上筋(きょくじょうきん)、棘下筋(きょくかきん)、小円筋(しょうえんきん)の「腱」などが骨との摩擦で炎症を起こし、断裂に向かうことをいいます。インピンジメント症候群(滑液包に浮腫や出血が起こる)などのように過度な運動による摩擦で腱板損傷が増大し、靭帯が伸びて緩い状態になると、腱板が圧力に耐えきれなくなり、完全に断裂します。
肩の筋肉に石灰(リン酸カルシウム結晶)が沈着していくことによる急性の炎症が原因です。30代以降の女性に多く見られ、加齢やホルモンの影響によって腱板が変成します。石灰は若いうちは牛乳のような濃厚な形状ですが、経年化するうち、ゲル状化し、最後には非常に硬くなります。この石灰膨張が痛みの原因となり、腱板から滑液包内に破れ出る瞬間、堪え難い激痛が襲ってきます。
肩の構造は鎖骨、上腕骨(腕)と肩甲骨のあいだでよく動かされ、不安定であるために脱臼のしやすい部分です。肩関節はひざと同じように肩甲骨の先端にある小さな皿(関節窩=かんせつか)により大きな丸い玉(上腕骨頭)が乗った状態であり、激しいスポーツや事故での転倒は脱臼になりやすいといわれています。また、腕を上げて転び、床に手を強打したり、強度な力で体の後方に引っ張られる場合に、よく起こります。
腰痛の原因は筋肉疲労・筋力低下・骨格の歪み・血行不良・ストレスなどが挙げられます。具体的には運動不足により筋肉が緊張して硬くなってしまい、負荷をかけることにより腰痛になってしまうもの。無理な動作や同じ姿勢での継続した作業、急激な体重増加や肥満、内蔵の病気、スポーツや事故などの外傷によるもの、そして精神的な緊張によるものなど原因は様々です。多くは腰の筋肉が過剰に緊張を強いられるような環境にいた場合に腰痛になる場合が多く見られます。
椎間板は髄核と線維輪でできており背骨をつないでクッションの役割をしています。その一部分が出てきて神経を圧迫することにより症状が現れます。その原因としては、様々な要素が影響して発症します。それは、遺伝的要素や骨の老化、姿勢が悪いことによる椎間板への負荷、椎間板の老化、重労働、喫煙、重いものを持ち上げる、体をひねる、長時間の座った仕事や車の運転など悪い姿勢での動作や作業などがヘルニアが起こりやすい原因の一つになります。
腰部脊柱管狭窄症は脊柱管が何かの原因で狭くなってしまい、結果血管や神経を圧迫するため起こります。狭くなる原因としては、生まれつき脊柱管が狭いことが原因の先天性脊柱管狭窄症や、加齢や労働、背骨の病気などの影響で変形したことが原因によるもの、椎間板ヘルニアなどによる合併狭窄やすべり症により脊柱管が狭くなってしまったもの、成長の途中で脊柱管に広さができなかったものが原因の後天性脊柱菅狭窄症などが挙げられます。
腰椎変性すべり症の原因は椎間板ヘルニアと似ており、椎間板の老化により弱った背骨に負担がかかりすぎることにより骨の一部がずれてしまい、腰椎がずれることによって脊柱管が狭くなって神経が圧迫されて症状がでます。長時間、腰全体に負担がかかる姿勢をしたり、不安定な姿勢、かかとの高い靴の履きすぎやしりもちなどによる外傷、体重増加や肥満、筋力の低下により腰を支えられなくなるなどの要因により腰椎がずれてずれた腰椎が神経を圧迫することになります。
分離症の原因は生まれつきの先天性のものと、運動などで繰り返し負荷がかかることが原因の後天性のものがあります。多くは骨を形成する成長期に腰に負担のかかる運動を行うことによって疲労骨折が繰り返されるため症状となって現れます。10代に分離症を発症し、それが徐々に分離すべり症に進行していく場合があります。また、運動前のストレッチや準備運動不足で、筋肉をほぐさない状態での運動が腰椎分離すべり症を引き起こす原因となってしまいます。
後縦靱帯骨化症は複数の要因が重なり合って発症すると考えられています。その要素としては遺伝的要素、カルシウムやビタミンDの代謝異常、糖尿病、肥満傾向、老化現象など色々な要素が原因と考えられていますが、原因の特定には至っていません、黄色靱帯骨化症の原因は不明です。黄色靭帯骨化症は後縦靭帯骨化症と合併しやすいという事実があり、胸椎と腰椎の連携する部分に負担がかかりすぎるために起こりやすいとされています。
背骨の錐体が押しつぶされて変形してしまう脊椎椎体圧迫骨折の主な原因は骨粗鬆症です、骨粗鬆症は骨がスカスカになり、徐々にもろくなって骨折を起こしやすくする病気で、運動不足や喫煙・食事などの生活習慣や加齢、女性の閉経後のホルモンバランスの変化があげられます。骨粗鬆症がある高齢者は外傷が加わらなくても、体の重みを支えきれずに尻もちやくしゃみなど、ちょっとしたきっかけで錐体がつぶれてしまい、脊椎椎体圧迫骨折を引き起こします。
加齢により生じるもので、軽症なものは無症状のことも多く、病的とはいえないこともある変形性脊椎症は、多くの場合、老化によるものでそれまでの過度の運動負担が大きくかかわります。 職業に関係したこともあり、農夫症、漁夫症は変形性関節症の一つになります。 30歳代を過ぎて、脊椎に過度の負担がかかり始めると、椎管関節にある軟骨の変形を生じ、椎間関節の関節腔は狭くなっていき、また、椎間板と呼ばれる椎体の間にあってクッションの役割をする軟骨も狭くなり変性します。 若い頃に重労働や激しい運動、スポーツを行ってきた人が40歳以降に発症する場合が多く、頸椎や腰椎に起きやすくなります。 高齢者には症状の程度は違いますが、加齢に伴う生理的な変形とも言えます。
胸椎椎間板ヘルニアは、胸椎部にある椎間板の変性により線維輪が破綻して、その椎間板の内部の髄核が脱出(後方へ突出)した状態をいいます。 その脱出(突出)した部分により、神経が入っている硬膜管が圧迫されて、脊髄圧迫症状を起こします。 外傷などの誘因が見られない場合がほとんどです。腰椎や頚椎の椎間板ヘルニアに比較すると非常にまれな疾患で、歩行障害などが出現した場合には手術が必要となります。
変形性股関節症とは、何らかの原因で関節軟骨が変性・摩耗したり、骨の変形が生じることによって運動障害や痛みを生じる病気です。原因不明の加齢による一次性変形性股関節症と、何らかの原因で起きる二次性変形性股関節症とがあります。二次性変形性股関節症の原因としては、先天的に股関節の形が小さい臼蓋形成不全、発育性股関節脱臼、ペルテス病、大腿骨頭すべり症などの小児の病気の他、脱臼・骨折などの外傷、化膿性関節炎・通風などの炎症によるものなどがあります。
半月板損傷とは、膝関節の左右にある内側半月板、外側半月板が何らかの原因で損傷し、断裂した状態をいいます。原因としては、スポーツや怪我などの外傷により膝にひねりがかかって生じるケースと、加齢でもともと傷つきやすくなっている半月に軽微な外力が加わって損傷してしまうケースとがあります。内側半月板はスポーツにより損傷することが多く、外側半月板は先天的に半月板の形が大きい場合(円板状半月板)に自然損傷するケースが多くあります。また、加齢により半月は変性するので、40代以上は少しの外力でも半月板損傷が生じやすくなります。
膝靭帯損傷とは、膝関節の中にある膝前十字靭帯、内側側副靭帯、外側側副靭帯などが、スポーツや怪我などの外力により切れ、関節にゆるみを起こしてしまう病気です。原因としては、スポーツなどで強い力が膝に加わる、転倒して硬いコンクリートに脛をぶつける、交通事故で車のダッシュボードにぶつけるなどがあり、その外力の方向に応じて様々なタイプの靭帯損傷を生じます。最も頻度が多いのは内側側副靭帯損傷で、非常に強い外力がかかった場合は複数の靭帯に損傷が起きることもあります。
オスグッド病(オスグッド・シュラッター病)とは、膝の頸骨の一部が剥がれたり、大きく隆起し変形することによって痛みを生じる骨軟骨炎症です。原因としては、10代の成長期の子供が飛んだりボールを蹴るなどのスポーツを繰り返し行うことによって、頸骨結節の成長線に過剰な負荷がかかり発生します。成長期の子供に起こるために成長痛と間違われやすいですが、オスグッド病は厳密には成長痛と異なります。成長痛は成長期の軟骨が引っ張られることにより痛みを生じる障害(病気ではない)で、オスグッド病は頸骨の一部がはがれたり変形したりする骨軟骨炎症です。
スポーツによる膝の慢性障害とは、スポーツ中の急激な衝撃や動作によって膝を痛めてしまうことをいいます。原因としては、急性的な怪我によるスポーツ外傷と、ランニングやジャンプなどを長時間繰り返し行うことによる慢性的な怪我(スポーツ障害)とがあります。オーバートレーニングにより起こるため、使い過ぎ症候群とも呼ばれています。障害を起こしやすいリスクとしては、筋力不足、骨の成長や筋の伸びのアンバランス、柔軟性不足、体力や技術に合わない練習、足に合っていない靴、地面が硬すぎたり柔らかすぎたりすることなどが挙げられます。
肘関節の内側には尺骨神経とよばれる管があります。肘部管ともいわれる管は上腕骨にある下端の溝に沿っており、肘を曲げたときに引き延ばされます。その結果、尺骨神経はこの溝に直接触れることになります。この溝は皮膚の内側にあるため、外傷などの圧力で神経に直接作用しやすく、関節を曲げた状態の運動や作業、あるいは肘そのものの変形やガングリオンによって症状がでてくることがわかっています。また透析患者の場合、筋膜靭帯にアミロイドが付着し、圧がかかることが原因といわれています。
肘の外側に痛みを生じるテニス肘とは、原因は手首を反らすことで、上腕骨外側上顆周辺に炎症が生じるために起こります。テニスではバックハンドの際に手の甲を表にしてラケットを当てます。また、パソコン作業でもマウスを握る際、手は山掴み状になります。この際も手首は反り返る状態になります。この状態を頻繁に継続することで、尺側手根伸筋、総指伸筋、短橈側手根伸筋が酷使され、炎症を引き起こします。
肘内障は、前腕にある橈骨の小頭が輪状靭帯から少し外れ、亜脱臼になった状態です。脱臼ではないため、比較的簡単に元の位置に整復することができます。肘内障は子供に多く、原因は輪状靭帯が弱いために起こります。子供が転びそうになってとっさに手を引っ張るなど、手をつないで歩いているときによく起こります。また、自分で転んだり寝返りをしたりするときなどにも起きることがあります。大人の場合は輪状靭帯が強く固定されているため、肘内障が起こる事は滅多にありません。
上腕顆上骨折とは、小児に最も多い骨折のひとつで、肘の骨折の約6割にものぼり、上腕骨の遠位部で起こります。原因としては転んで手をついたり、鉄棒などから転落して、肘が反ることで骨折します。骨折のずれが大きいときには骨折部で正中神経、橈骨神経、尺骨神経、上腕動脈などがひっかかったり圧迫されたりして、肘から指先への麻痺や循環障害が発生することがあります。
野球肘とは、ボールを投げすぎる事により起こる肘の痛みです。正式には上腕骨内側上顆炎といい、別名リトルリーガー肘、ベースボール肘ともいいます。野球選手に多く、悪いフォームによる長期間の投球や、投げ過ぎなどで肘に負担がかかることによって起こります。上腕骨がまだやわらかい小学生〜成長期に多く、上腕骨が内側障害を起こします。高校生〜社会人の野球肘は、上腕骨ではなく肘の内側に大きな負荷がかかり、靭帯が痛むことによって起こりやすくなります。
変形性肘関節症とは、肉体労働を続けた高齢の男性に多く、肘の軟骨がすり減ったり骨の変形が生じる病気です。原因不明で加齢に伴う一次性変形性肘関節症と、何らかの原因で起こる二次性変形性肘関節症があります。二次性の原因としては、肘関節内骨折、脱臼などの外傷や、大工仕事、野球などで肘関節の酷使することで起こるもの、関節炎、血友病や先天異常などがあげられます。大半は肉体労働や激しいスポーツなどで長期間肘を酷使し続けてきた人に多く発生します。
橈骨遠位端骨折(コレス骨折・スミス骨折)とは、転んだ際に手をついて前腕の橈骨が手首のところで折れる骨折です。コレス骨折は橈骨の遠位置骨片が手の背側に転位し、フォークを伏せて置いたような変形が生じるもので、手のひらをついて倒れたときに手関節が背屈されて折れるのが原因です。スミス骨折は、橈骨の遠位片が手のひら側に転位し、コレス骨折の逆の変形を生じるものです。これは、自転車のハンドルを握ったまま倒れるなど、手の甲をついて倒れたときに生じます。
手根管症候群とは、何らかの原因で手根管に圧力がかかり、中を通る正中神経が圧迫されて手の指に痛みやしびれが生じる病気です。妊娠・出産期や中年以降の女性に多く、怪我や骨折などの外傷、長時間の反復作業やスポーツなどで手を酷使することなどで生じます。透析でアミロイドという物質が沈着することも原因で、透析している人にも多く生じます。腫瘍や腫瘤などで手根管が圧迫されることでも生じるケースがあります。甲状腺機能亢進症、関節リウマチ、先端巨大症などの合併症として発症する例もあります。
手舟状骨骨折とは、スポーツや交通事故などで転倒し、手関節が背屈して手をついたときによく起こる骨折です。 スポーツによる受傷が半数近くを占めており、一般的に男性に多くみられ、あらゆる年齢層に発生します。疲労骨折で発生することもあります。舟状骨は手根骨の1つで、親指に近く手関節を構成しています。小さくレントゲンで骨折線を見逃しやすいため、単なる捻挫と間違われやすいのも特徴です。手根骨骨折の中で最も頻度が多い骨折です。
「ドケルバン病 」は、親指の「狭窄性腱鞘炎」のことで、腱鞘炎の一種です。手に繰り返し刺激が加わることで、手首の周りの指を動かすためにある「腱」が炎症を起こすと、腫れや痛みが生じてきます。「手の使いすぎ」「親指の使いすぎ」以外の原因としては、結核や関節リウマチ、細菌の感染による「化膿性腱鞘炎」もあります。20歳代、50歳代女性に多く見られる病気です。
「ばね指(ゆび)は、「弾撥指(だんばつし)」「弾発指」とも呼ばれる、手の指に起こる腱鞘炎の一種です。 主に、手や指の使いすぎによって引き起こされるものですが、他の原因として、出産したばかりの女性や、更年期障害の女性など、肉体のバランスを崩しがちな高齢の女性にも多く見られます。 また、成長過程にある子供も発症する場合があり、指の動きが悪くなることがあります。この場合、6歳くらいで完治することが多く、それほど心配はいらないでしょう。
指がドアに挟まれ、腱が皮下で切れた場合、また手首、手のひら、指などを刃物で切った場合、指を曲げるための筋肉と指先をつないでいる腱が切れて力が入らない状態となり、指が曲がらなくなります。 腱が押しつぶされる、引きちぎられるということがあった場合、腱が指の骨から剥がれて「指の屈筋腱損傷」が起こります。
変形性股関節症とは、何らかの原因で関節軟骨が変性・摩耗したり、骨の変形が生じることによって運動障害や痛みを生じる病気です。原因不明の加齢による一次性変形性股関節症と、何らかの原因で起きる二次性変形性股関節症とがあります。二次性変形性股関節症の原因としては、先天的に股関節の形が小さい臼蓋形成不全、発育性股関節脱臼、ペルテス病、大腿骨頭すべり症などの小児の病気の他、脱臼・骨折などの外傷、化膿性関節炎・通風などの炎症によるものなどがあります。
臼蓋形成不全の原因は生活習慣や遺伝的な要因など、さまざまな影響が考えられていますが成長過程で臼蓋の発育が正常に進まない「後天的」要因と、先天性股関節脱臼に起因する「先天的」要因の強いものとがあります。 幼少期~小児期における骨の成長が盛んに行われる時期に特徴的な股関節の運動や使い方が、骨盤の成長を妨げる要因になっていると考えられています。
大腿骨頸部骨折とは、太ももの骨(大腿骨)の脚の付け根に近い部分での骨折をいいます。大きく分けて、股関節の関節包の外側で骨折する「大腿骨頸部外側骨折」と、関節包より内側で骨折する「大腿骨頸部内側骨折」とがあります。関節包に外側は血流が良いため骨がつきやすいですが、内側は血流が乏しいため骨がつきにくく、両者では治療法が異なります。大腿骨頸部骨折の原因の95%は転倒によるもので、骨粗鬆症などで骨がもろくなっている高齢者や女性に多くみられます。若年者では交通事故、スポーツなどでも発生します。特に原因がなく、いつの間にか骨折していたという人も3〜5%みられます。
足関節捻挫とは、足関節の可動域を超えた為に靭帯が損傷される障害です。多くは外くるぶしから距骨につく前距腓靭帯を痛め、さらに進むと踵腓靭帯を痛めます。原因としては、足を底屈して内側にひねった状態で、足の甲の外側に体重をかけて発生することが大多数を占めます。発生場所はスポーツの他に、段差などでつまずいて起こる場合があります。靭帯の損傷程度によって3つに分類されており、靭帯が伸びる程度の損傷を1度捻挫、靭帯の部分断裂を2度捻挫、靭帯の完全断裂を3度捻挫とされています。
足関節果部骨折(脱臼骨折)とは、何らかの原因で足関節に強い外力が働いた場合に生じる、足関節部(頸骨、腓骨、距骨)の骨折をいいます。原因としては、階段や高いところからの転落、足を踏み間違える、穴に足をとられるなどして足を内側にひねり、足の甲の外側に体重を大きくかけたことで起こります。逆に、足を外側にひねって起こることもあります。外力のかかる方向により、様々な骨折や靭帯損傷を組み合わせた病態になります。
アキレス腱断裂とは、下腿三頭筋や腓腹筋が強く収縮したり、直達外力や介達外力が加わったり、過度に伸ばされたりしてアキレス腱が断裂した状態をいいます。原因としては、ダッシュ、ジャンプ、踏み込みなどの動作で下腿三頭筋が急に収縮したり、着地などで急に筋肉が伸ばされたりしたときに起こります。20〜50歳代のスポーツ愛好家に多く、以前は男性が多く負傷してましたが、現在は女性のスポーツ人口が増えた為に性差はありません。
O脚・X脚とは、下肢の形態的異常を指します。O脚(内反膝)は、いわゆるがに股のことで、両膝が外側に彎曲し、左右の内くるぶしをそろえても膝の内側が接しないものをいいます。X脚(外反膝)は両膝が内側に彎曲し、左右の膝の内側をそろえても内くるぶし同士が接しないものをいいます。原因としては、生理的な変形と病的な変形がありますが、病的な場合、Blount病やくる病などの先天的・後天的な大腿骨頸骨形態異常、外傷性の変形、靭帯の異常などがあります。
腓骨神経麻痺とは、下腿を走行する腓骨神経が何らかの原因で損傷、断裂し、麻痺が生じる病気です。原因としては、長時間にわたって足を組む姿勢をとること、膝を曲げた姿勢をとること、硬い床の上で横向きに寝ること、ギプス固定で腓骨頭部が後ろから圧迫されるなど、腓骨頭部が外部から圧迫されることなどがあります。また、ガングリオンなどの腫瘤や、腫瘍、交通事故による開放創や怪我、腓骨頭骨折、外傷などによっても生じます。
肉離れとは、筋肉が伸ばされながら急激に収縮することによって、筋膜や筋線維の一部が損傷(断裂)することをいいます。原因としてはスポーツによるものが多く、筋力不足や運動前の不足、運動後のストレッチ不足、過去の損傷、筋力のアンバランス、急な気候の変化、体調不良、睡眠不足、オーバートレーニングなどによって起こりやすくなります。ほとんどが下肢に発生し、ハムストリングス、ふくらはぎ、大腿四頭筋に多く発生します。
外反母趾とは、足の親指の付け根の関節部分で、外側に曲がってしまう状態をいいます。親指の第1中足骨が反対側に曲がり、親指に連なる骨全体が「くの字」に曲がっているのが特徴です。原因としては、足に合わない靴(かかとの高い靴、幅の広すぎる靴など)を長時間履き続けることによるものといわれています。女性に多くみられますが、その理由は女性の方が男性よりも筋力が弱いため、重力の影響をうけやすいからといわれています。
成人期扁平足とは、成人になっても土踏まずがない足のことをいいます。幼児の頃は足裏に脂肪がついているため、土踏まずがない子供が一般的です。しかし、土踏まずが形成される8歳以降になっても土踏まずがない場合、扁平足とよばれ、女性に多くみられます。成人期扁平足の原因としては、遺伝性の他、加齢や肥満、糖尿病、関節リウマチなどにより後脛骨筋機能不全が起こり、足のアーチ構造が低下するために発生すると考えられています。
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医院情報
医院所在地 | 〒830-0037 福岡県久留米市諏訪野町 2-6 |
電話番号 | 0942-32-2925 |
診療時間 | 09:00〜12:00 / 13:30〜18:00 《※再診受付時間 午前 11:45 / 午後 17:45》(土曜日は17:15まで) 《※初診受付時間 午前 11:30 / 午後 17:30》(土曜日は17:00まで) 土曜は17:30までの診療となります。 |
休診日 | 木曜日午後・日曜日・祝日 |
リハビリ テーション科 診療時間 |
09:00〜12:00 / 13:30〜19:00 ▲土曜は18:30までのリハビリになります。 |
診療科目 | 整形外科 / リハビリテーション科 |
交通手段 | ・西鉄大牟田線久留米駅 徒歩6分 ・西鉄バス 久留米駅乗車 (3・31番バス) 税務署前下車 徒歩3分 |
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